表記・読み
- MO…えむおー
- MO Disk…えむおーでぃすく
- 光磁気ディスク…ひかりじきでぃすく
※DiskはDiscと表記する場合もある
解説
MOとは、Magneto-Optical Disk(光磁気ディスク)のことで、光磁気記録という技術を利用し、レーザー光による書き込みと読み出しを可能とした外部記憶装置の一種です。
磁気を帯びた(磁性体)円盤にレーザー光を当てて、熱による磁化の反転を利用して書き込みや消去を行います。
2.1 原理
図1に光磁気ディスクの記録・再生原理を示す.記録時には,レーザー光は熱源として用いられる.垂直磁化膜の磁化の向きを,初め一様に上向きにそろえておく.そこヘレーザー光パルスを照射し,膜の温度を局所的に上昇させる.キュリー温度近くまで昇温すると,膜の保磁力が減少し,外部の電磁コイルで発生した下向きの磁界によって磁化が反転する.消去は,磁界の向きを逆にしておいて,レーザー光を連続的に照射すれば,記録と同じ原理で磁化が元の向きにもどることで逹成される.
磁化の向きを読み出すには,カー効果と呼ばれる磁気光学視象が利用される.カー効果とは,直線偏光のレーザー光を垂直磁化膜に入射させると,反射光の偏光面が磁化の向きに従って,左または右にわずかに回転する現象であるこの回転を検光子によって光量変化に変換して,情報が再生される.
光磁気記録技術(PDF)(応用物理学会)
印刷・DTPの現場でのMO利用について
MOは印刷・DTPの現場では、HDDに比べて1枚1枚が安価であり、小型・大容量で、輸送時の多少の揺れなどにも強いので、入稿データのやり取りやデータのバックアップなどでよく使用されていました。
入稿データをMOに保存し、バイク便や宅配便などで制作会社から製版・印刷会社へ届ける方法で印刷データを入稿していました(※)。(ただしHDDより安価とは言え、それなりの価格だったので、入稿用で使用したMOを返却することも多くありました)
※当時はインターネット回線も高速で安価ではなかったため、物理メディアで入稿していたのです
MOディスクの容量について
印刷・DTPでは、MOは128MB・230MB・640MBの記録容量のMOがよく使用されていました。(1.3GB・2.3GBなどさらに容量の大きいMOもありましたがDTPではほとんど使用されませんでした)
また、Appleの初代iMacの時代と合わせて、シースルーでカラフルなMOも販売されていたのも当時の特徴です。
MOディスクドライブについて
MOは専用のMOディスクドライブで読み取りを行います。
MOがよく使用されていたときのMOディスクドライブのインターフェイス(背面)としては、現在とは違い、SCSIが多く利用されていました。
USBの普及と共にUSBのインターフェイスを持つMOディスクドライブも登場しました。
MOディスクへの書き込み禁止について
MOディスクは下部に書き込み禁止のためのプロテクトノッチ(スイッチ)があり、表面から見て穴がふさがっている状態が書き込みできる状態です。
データ入稿時には、MOディスクに入稿データを保存した後、誤って編集しないように書き込み禁止にして発送するなどの方法が採られたりなどしました。