解説
フチなし印刷とは、用紙の端までデザイン内容が印刷されていることを意味します。「縁なし印刷」とも書きます。
逆に用紙の端に余白がある印刷は「フチあり印刷」と呼ばれます。
フチなし印刷では、用紙の端まで色や画像が印刷されていることで、ダイナミックな印象や紙との一体感を与えることができます。
フチあり印刷では、余白のフレーム効果で、安定したイメージを与えることができます。書籍などの文字が中心の印刷物では、フチの余白がある方が、読む際に書籍の持ち手が邪魔になりません。
フチなし印刷とフチあり印刷は印刷物の用途や目的に応じて選択しましょう。
フチなし印刷 | フチあり印刷 |
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プリンターによってフチなし印刷ができないものもある
複合機の場合
複合機と呼ばれるレーザープリンターの多くはフチなし印刷ができません。
ふち無し印刷は、用紙サイズ、機種に限らずできません。
ただし、プリンタードライバーの設定により、ギリギリまでつめることは可能です。ふち無しで印刷したい DocuCentre-VI C2264 : サポート : 富士フイルムビジネスイノベーション
リコー製品にはフチなし印刷(上下左右の余白がないように印刷すること)に対応しているものはありません。
フチなし印刷に対応しているかについて
コンビニのコピー機も同じなので、用紙サイズにピッタリのデータを印刷すると、印刷可能領域に合わせるように小さく縮小印刷されてしまうことがあります。
コンビニによっては設定により、原寸のまま印刷できる設定もありますが、フチなし印刷にはなりません。
よくわかる!「原寸印刷」への道! | セブン‐イレブンのマルチコピー機で同人活動をもっと手軽に・もっと楽しく!
家庭用インクジェットプリンターの場合
家庭用インクジェットプリンターではフチなし印刷ができるものが多くあります。
家庭用インクジェットプリンターでフチなし印刷をする場合は、元のレイアウトデータを自動的に拡大して紙からはみ出して印刷することで対応する場合が多いです。
例えば以下のネコの画像を用紙サイズいっぱいにフチなし印刷をしようとすると、ネコの画像を拡大して印刷されます(ピンクが用紙サイズ)。
このため、以下のように耳の一部が欠けてしまったりします。
画像出典:クッションの上でお昼寝する子猫ちゃん(ぱくたそ)
※わかりやすくするために大げさに拡大しています。
業務用印刷機で印刷する場合
また、オフセット印刷やPOD印刷機・大判インクジェットプリンターでの印刷では、印刷物の仕上がりサイズよりも大きな紙に印刷して、トンボで断裁することが多いため「フチなし印刷」「フチあり印刷」ともに対応することができます。
この場合、断ち落としのエリアまで色や画像を入れておくことで、紙の色(白)を出さずにフチなし印刷をすることができます。
詳しくは「断ち落とし」の項目をご覧ください。
裁ち落とし・断ち落とし・断ち切り・塗り足し・ドブ の意味・解説|編集・組版|デザイン・編集・製版工程|DTP・印刷用語集
WordやPowerPointなどのデータの場合は、データ入稿時に「拡大してフチなし印刷に」とご依頼いただければ、フチなし印刷にすることが可能です。ただし、レイアウトデータで端に近い画像や文字は拡大により切れてしまうこともあるので、切れてはいけないものは内側に寄せて配置してください。
関連情報・参考資料
- 裁ち落とし・断ち落とし・断ち切り・塗り足し・ドブ の意味・解説(DTP・印刷用語集)